離婚などが原因でシングルマザーになると、実家に帰る人も多いです。このような形でシングルマザーが実家暮らしをするときに、実家に入れる生活費の相場はどの程度になるものなのでしょうか。この記事では、実家に入れる生活費の相場から、母子家庭にかかる生活費などを紹介していきます。
目次
シングルマザーが実家に渡す生活費の相場について
最初にシングルマザーが実家に渡す生活費の相場、そして母子家庭でかかる生活費について確認していきます。
生活費がどのくらいかかるのかを把握すると、生活の場をどこにするとよいのかを決めやすくなります。順に解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
子ども一人との生活費は15万前後
結論からお伝えすると、子ども一人の母子家庭にかかる生活費はおよそ月15万円前後です。何にどのくらいかかるのか、忘れがちな医療費なども含めて確認しておきましょう。
- 家賃 ：5～6万円
- 食費 ：3万円
- 水道光熱費 ：1万5千円
- 日用品など雑費 ：5千円
- 交際費、レジャー費 ：5千円
- 衣類、化粧品など ：5千円
- スマホ、ネット費 ：1～1万5千円
- 給食費など学校関係、教育費用 ：1万5千円
- 生命保険料 ：3～4千円
- 医療費 ：3千円
子ども一人の母子家庭にかかる生活費は、このようになります。ただし、ここで紹介したものはあくまでも目安です。地域によって家賃がもっと高くなる場合もありますし、地方在住の場合はこの生活費に加えて車の維持費がかかる場合もあります。
またここから切り詰めることも可能ですが、医療費などはいざという時のために別途確保しておかなければいけないものです。ぎりぎりで考えるのではなく、ある程度は余裕を持った生活費を想定しておきましょう。
厚生労働省が平成28年に実施した全国ひとり親世帯等調査によると、母子家庭の母親の平均年収は243万円です。これでは、十分な余裕があるとはいえません。
実家暮らしの場合は親との話し合いが必要
母子だけで暮らす際の生活費は月15万円前後となりますが、家のこともしなければいけないシングルマザーが余裕をもって稼ぐのは難しいでしょう。 そのため、生活費を軽減させるために実家暮らしを考えるシングルマザーが多いです。
実家暮らしを選択する場合は生活費をいくら渡せばよいのでしょうか。実家暮らしの生活費については、人や家庭によって千差万別です。家庭によっては、生活費は必要ないといわれる場合もあります。
また、親世帯の仕事状況によっては、シングルマザーが大黒柱になり家計を支える場合もあります。一概にいくらが相場だとは言えないので、まずは親としっかりと話し合いをすることが大切です。
知っておくべき公的支援とは
シングルマザーが生活を少しでも楽にしようとするのなら、やはり節約を避けては通れません。独り立ちしているのなら家賃を抑える、できるだけ自炊をして食費を浮かせるなどがあるでしょう。
しかし、どうしても削るわけにはいかない費用もあります。無理をして仕事をすると、子どもとの時間を削ってしまうだけではなく、健康の面からもあまりおすすめできません。そこで、国や自治体が行っている公的支援に頼ることをおすすめします。
知らないことが原因で、公的支援を受けていないと大きな損になります。公的支援には次のものがあるので、自分が知らないものがないか確認してみてください。
- 児童手当
- 児童扶養手当
- 児童育成手当
- 特別児童扶養手当
- ひとり親家庭の住宅手当
- ひとり親家族の医療費助成制度
- 国民年金・国民健康保険の免除
- 遺族年金
- 保険料の減免
- 母子福祉資金貸付制度
それぞれ自治体によって支給してもらえる額や助成金の限度、条件が変わってくるので役所の窓口で相談してみましょう。相談することで、家庭にあった制度を紹介してもらうことも可能です。
参考：
※母子家庭等関係 ｜厚生労働省
シングルマザーが実家に帰るメリット
国や自治体が様々な助成を行ってくれていることはありがたいものですが、生活費を抑えるには実家に頼るのが一番です。ここでは、シングルマザーが実家に帰ることによって得られるメリットについて解説します。
生活費を節約できる
実家に帰る一番のメリットは、生活費を大幅に抑えることができる点です。独立して生活をすると、家賃や水道光熱費は大きな出費になります。特に家賃は節約するのが難しく、毎月一定額を払わなければいけません。 しかし実家に頼ることができるのなら、家賃や水道光熱費などの固定費を丸ごと浮かせることができます。
もちろん子どもや自身にかかる服飾費やスマホ費用などは、自身で賄うことになります。しかし、これらは節約しやすい生活費です。実家ならば貯蓄しやすい環境になるので、長期的な視野で考えても大きなメリットだといえます。
子育ての協力が期待できる
実家に帰ると、子育てを一人でしなくてもよくなる点もメリットになります。特に母親や祖母がいるのであれば、新米ママではわからない場面で教えてもらうこともできるでしょう。
また先のことを考えて仕事を探そうと考えているのなら、子どもの預け先に頭を悩ませる必要もありません。子どもの将来を見据えて動こうと考えるのなら、やはり自分以外の人の手があると助かります。性格や人柄をよくわかっている両親、祖父母の手を借りられることは大きなメリットになるでしょう。
精神的に一人よりも楽になれる
シングルマザーの大変なところは、子育てから家事、仕事まですべてを一人でしなければいけない点です。仕事はもちろんですが、子どもを育てる責任を一人で負うのは大変なことです。
不安や不満を相談する相手がいないと、ストレスも大きくなっていくでしょう。しかし実家生活であれば、自分以外の人手もあるので一人だけで抱え込まなくてもよくなります。 子どもに関する相談をすることもできますし、子どもには話せない職場の愚痴をこぼすこともできるでしょう。子どもに関する責任は最終的に母親が負うものですが、日常の負担を分散できる点は魅力的なメリットです。
考えすぎてしまう傾向がある人や責任感が大きい人ほど、実家の家族に助けてもらってはいかがでしょうか。
シングルマザーが実家に帰るデメリット
シングルマザーが実家に帰ることは、メリットだけではくデメリットもあります。ここでは、シングルマザーが実家に帰ることによるデメリットについて解説します。
補助金が受けられない場合がある
一番に把握するべきデメリットが、実家で生活する場合は公的な補助を受けられない可能性がある事です。 公的支援のほとんどが、母子家庭での生活で収入が一定額に足りない場合に支給されるものです。実家で暮らすことで、生活費を浮かすことができるのと同時に、きちんと生活ができるのなら補助は必要ないと判断されてしまうことがあります。
生活費や収入を計算する際に、両親の収入も加味されるということです。支援内容によっては変わらず受けられるものもあるので、役所の窓口で確認するようにしてください。
自分自身の甘えが抑えられない場合も
シングルマザーが実家に頼ることで陥りがちなのが、自分自身が両親の子どもに戻ってしまうケースです。実家に頼る前に頑張っていればいるほど、安心感でわがままが出てしまうこともあるでしょう。
一時的なことなら問題ありませんが、子どもを育てていく母親がいつまでも子どものままではいられません。実家で暮らす場合は、自分がわがままになってきていないかと自分を振り返ってみる時間も必要です。
子育てに口出しされると感じる
実家で暮らすと、親から子育てに口出しをされる可能性があります。子育てを手伝ってくれるのはメリットになりますが、場合によってはそれがデメリットにもなるのです。
子育てに関してこだわりがある方、または、両親の子育ての知識が古い場合は衝突をしてしまうこともあるでしょう。もちろん子育ての知識が古かった場合は、逐一教えて知識を更新してもらう必要があります。
しかし実家に頼っている以上、必要以上のこだわりは衝突の原因にしかなりません。子どもにとってマイナスな口出し以外は、スルーしていく心の余裕を持っておきましょう。
まとめ：シングルマザーが実家に帰るのなら親との話し合いが必須
ここまでシングルマザーになるにおいて大切なポイント、生活費や実家に帰るメリットデメリットを紹介してきました。考えていた以上に生活費がかかる、と感じた方も多いのではないでしょうか。手に職がある、職場が子育てに適している、このような方以外はやはり実家に頼るのが上策だといえるでしょう。
しかしいくら親といえども、一緒に生活する以上はお互いに気を使わなければいけない存在です。メリットデメリットはもちろん、公的な援助も確認したうえで母子ともにベストな選択肢を選んでいきましょう。
